手の中の蝶々



ぽかぽか温かくて


いい気持ち









……なのに、それを妨げようとする雑音



「ん……」



私の名前…………?




『――桜木さん!!』

「んー」


目を開けると、眼鏡が見えた。



……先生だぁ





まだ覚醒しきらない頭でボーっと眼鏡(先生の顔)を見つめる。






そのまま止まったままでいると、




眼鏡が近づいた気がした。







そして……






『早く起きないと……この下に隠れているモノを見させてもらいますよ』



お腹に感じる自分とは違う体温。




「きゃ!――なっなな何するんですか!!!!」



『だって起きないんですもん』



おかげで目は覚めたけど!



『さ、もう寝ましょう』


何もなかったように話を切り替える先生。





…なんかムカつくっ!





『桜木さんはベッドで寝て下さい、僕はソファーで寝ます』


ムカつくとか思ってごめんなさい。


「そんな…っ、私がソファーで!」



優しさだけ受け取ります。