手の中の蝶々



「ふー」


使い勝手が少し分からなくて戸惑ったけど、なんとか全て洗い終えてお風呂からあがった。





あがったと言うことは…




勿論アレを着なきゃいけない。






「ひいっ……」


これをまさか自分が着るのかと思うと、なんだか……


ごめんなさい



な気になる。




でもいつまでも裸でいるわけにもいかないので、さっさと着て、さっさとスウェットを着てしまうことにした。





そして洗面所にあったドライヤーを勝手に借りて髪の毛を乾かす。




「…よし」


適当に乾いたので、先生のいる部屋に向かう。





「あがりました…」


そっと部屋に入る。


さっき疲れていそうだったから、もう寝ているもんかと思っていたら、



意外にも先生は、こたつの他にもう1つある部屋の角の、教材なんかが置いてある机に向かっていた。




『あぁ、何か困ったことなかったですか?』


まぁ、あると言えばある。

因みに現在進行形で。


「大丈夫です」


でもそれは言った所でどうとなる問題でもないので言わないでおく。





「先生寝てると思いました」


『僕も寝かけてたんですけど、小テストの丸付けがあったのを忘れてて…』


国語は毎週10点満点の小テストがあるからその事だろう。