手の中の蝶々



『桜木さんなら似合いますよ!』


いや、似合うとか似合わないとかの話じゃなくて。




「とにかくその着方は嫌です!
ほら、私洗い物しますし」


喋ってる間にも箸は良く進み、気付けばお皿は既に空になっていた。



『あっ、とても美味しかったです!ありがとうございます!』



先生も食器を運ぶのを手伝ってくれる。



「先生お風呂は…」

『入りましたよ?自販機行く前に』


あぁ、だからやたらとラフな格好なのか。





『桜木さんは……入ってないですよね……というより雨に濡れたのにタオルだけでスミマセンっっ!入ってきて下さい!……あっ、でも着替え………あの、そのスウェットでいいですか?』



先生一気に喋りすぎ。



『でも下着………、僕の「着ません!」


頭可笑しいのか。


なんで男物のパッパ……………



とにかく男物を着なきゃいけないのよっっ!





でも……本当にどうしたらいいんだろう。






うーん






……難題。





『ちょっと待ってて下さいね!』



そう言って先生は、次は外に出ていった。





……何処行った!?


次は何しにいったんだ!?