手の中の蝶々




最も重要なこと……、



『ずばり!』

「ずばり……?」



『家ではエプロンの着用を義務づけます!』


「エプロン!?」




ちょっと身構えた私が情けなかった。




『先生…エプロン大好きなんです』


頬を赤らめてモジモジしながら言うことじゃないでしょ。




「まぁ…エプロンくらいならいいですけど……」



『本当ですか!?……待ってて下さいね!!』


「先生!?何処行くんですか!?」


バビュンッと何処かへ駆けていった先生。




そして、帰ってきた先生の手に持つ物を見て、




私はエプロン着用を承諾したことを激しく後悔した。






「先生……これ………」


『可愛いですよねぇ!エプロンLOVEです!!』



先生が持ってきたのは………



大量のエプロンでした。




「なんでこんなに………」

『だーかーらぁ、お嫁さんが着てたら可愛いなぁと思って買っちゃった、ってさっき言ったじゃないですかー』



そのエピソードは一着だけじゃなかったのか!!!




「これも……私が着るの…?」


私が山の様にあるエプロンから見つけだしたのは、ピンクのふりふりエプロン。




『はいっ、楽しみにしておきます!





……まさか急に嫌になったとか言わないですよね?』


ニッコリ笑う先生。



嫌と………
嫌と言いたい!!

だけど………





『ねっ、居候さんっ!』





……そこをつかれると私、



何も言えません。




「………着させて…頂きます」