『だから…、もう一度一緒に住みましょ?』
お姉ちゃんがあんまり優しく笑うから、直ぐに言葉が出てこない。
私はきっと、酷い顔をしていた筈。
どうするべきかなんて分かりきってる。
養子とは言えど、今まで一緒に過ごしてきたお姉ちゃんと住むか
学校の教師……しかも男性と住むか
どっちが良いかなんて、即答0.1秒だ。
だけど、だけど、
私が向いてるのはどっち?
世間体なんて気にせずに、誰の事も気にせずに、自分が思う方向だけを示せば、
きっとそれは………。
「か、考えさせて…」
もう少しで飛び出しそうになった答えをぐっと押し殺して、逃げ道をつくる。
私が考えるのは、自分がどちらがいいか…じゃなく、全てを踏まえてどうすべきか…で。
そこに私の勝手を関与させちゃ駄目なんだ。
例え、どんなに先生の傍にいたいと思っているとしても。



