先生の手は優しく私の頭を撫でる。
『帰ろっか』
私には帰る場所がある。
だから例え今過去がやってきたって、それは変わらない。
場所があるなら帰ればいい。
「…私、お姉ちゃんと話す」
だから、向き合わなくちゃいけない。
いつも見つけてもらう事に頼って、逃げてるだけじゃ解決なんてしない。
付き纏う過去はいらない。
寄り添ってくれるように、願おう。
そのためにはまず、私が決心しなきゃ。
『夂葉さんなら上手くいくよ』
先生がそう言ってくれるから、なんだかその通りな気がしてしまう。
先生の声には力がある。
やっぱり、先生の声好きだなぁ。
『今日はもう遅いから明日にしよう。ご飯は気にしなくていいからね』
「…うん、わかった」
明日、何かが変わる。



