しばらく雨に濡れていた。 行く場所もない。 帰り方も知らない。 大雨のせいか、時間のせいか、周りに人は見えない。 暗い街の中ホテル以外、自動販売機だけが光を放っていた。 その自動販売機を背に、しゃがみこんだ。 上からは大雨、背中からほのかな温もり。