危険を察知したあたしはガバッと起き上がり、体にかかってたタオルケットを引っ張りながら部屋の隅に逃げた。



寝言で変なこと言ったのかな…。



近寄ってくる紫はひきつった笑顔。



これは本気ととらえてよろしいかね?



「もももも、元カレなんていない!!浮気もしてない!!やましいことなんてな~んにもっ、してない!!」

「ユウ君って、誰?」



青筋立ってるよ…。



ヤバいな…。



ユウ君って…夢か。



なんとか落ち着いた紫と朝ご飯。



「昔の夢!?幼なじみか?」

「そんなんじゃないよ。フルネームなんか忘れたし。顔もう思い出せない」

「相手になんねぇな」



焼き魚に醤油をかける紫を見ながら、ヤキモチでも妬いたのかと嬉しくなったのは秘密。



この家で過ごすのにはだいぶなれた。



なんだかゆっくり時間が流れる家って感じで居心地がいい。



「そういえば双子たち、どこ行ったの?」

「今日は雑誌の撮影だって言ってたな」



まさかのモデルさんだったんですか!!