honey blood

あたしの腕に頭をつけて俯いた紫は腰にある手をわずかに引き寄せた。



急にドキドキし出した心臓の音が、紫に伝わってるんじゃないかと気が気じゃない…。



「お前がいなくなったって聞いて、必死で探した時にわかった」

「なにを…?」

「蜜に惚れてんのかもって…。血じゃなくて、お前の本体に…」



その告白はあたしに衝撃を与え、さらに心臓の音が激しくなる。



頭に血が昇りそう…。



顔が熱い…。



「だからキスしたんだと思う。お前を傷つけたなら謝る。でも、離す気はねぇよ」

「挨拶って言ったくせに…」

「まだ俺の性格わかってねぇのな。照れ隠しに決まってんだろボケ…」

「じゃあ…なんでしたの?」



聞きたかった。



たぶん、紫に振り回された仕返し。



完璧な意地悪心。



「蜜が好きだから…?」



返り討ちにあったバカなあたし。



音で表すなら『どっか~ん』が正しいと思う。



心臓痛くて、もう耐えられそうにない。