honey blood

こんなに考えさせられたのに『挨拶』だと言われたことが悔しくて。



今すぐ涙を止めてコイツを殴りたいのに…。



「蜜…」

「うるさいっ!!話しかけんな!!」

「ごめん、ごめん…」



な、なんで抱きしめるの?



優しくすんな…。



助けたりすんな…。



あたしの心を乱すなっ…。



「好きじゃないなら…もう関わんないでっ…」

「そいつは無理な相談だな」

「なんで!?もういいでしょ!?あたしの血飲んだの1週間も前じゃん!!あんた元気じゃん!!必要ないじゃんっ…」



ケガしてる時はあたしの血を求めなかったじゃん…。



それってあたしが必要ってわけじゃないんじゃないの?



また涙を舐めた紫は、あたしを抱きしめたままソファーに座り、膝の上に乗せた。



「重い…」

「降りるから離せっ!!」

「ヤダ。離したらお前、どっか行きそうだ…」

「…………」

「弱いこと言うけど、忘れろよ?」



紫が弱音?



涙止まりそう…。