布団に横になる蜜は俺を攻めるわけでも、文句を言うわけでもない。



その横に腰を降ろし、傷一つない顔を見つめた。



「なにも言わないからね」

「は?」

「誰にやられたとか、そういうの。紫、暴走しそうだし」

「マリに…担任になんか言われたのか?」

「違う。この前のナンパで紫の人柄?ヴァンパイア柄っつーの?ちょっとわかった…」



人柄でいいっての…。



思ったより元気じゃねぇか…。



「どっちにしろ、俺のせいに代わりはねぇんだろ?」

「そうだよ」

「悪かったな…。治してやるから服脱げ」

「裸体晒すくらいなら我慢します…。だって…なななっな、舐めるんでしょ…?」



顔が赤く染まっていく蜜が、なぜか愛おしく感じてしまったのは薬のせいで頭痛が酷いからだろう。



でも今はこの感情が不思議とイヤじゃなくて…。



動けない蜜に吸い込まれるようにキスをした。



「さ、最低っ!!もう…帰れっ!!」

「か、帰る…」



蜜のさらに赤い顔を見て記憶を消すほど忘れたいと後悔したのは言うまでもねぇや…。