honey blood

蜜の匂いなんかわからないほど人がそこら中にいて、やっぱり無理がある。



担任が更衣室やトイレに周り、俺はその他。



図書室もいないし、音楽室も…。



科学室に入ろうとしたとき、フワッと甘い匂いがした。



蜜だ…。



どこにいる?



微かに感じる蜜の痕跡を辿った。



強く感じるのはこの資料倉庫…。



鍵がかかってて開かないドアは、少し力を入れれば鍵が壊れる。



引っ張ったドアの奥に見えたのは、黒いジャージ…。



床に横たわってる茶色い髪の女…。



ウソだろオイ…。



「蜜…?蜜っ!!」



近づくと意識がなくて、なにが起こってるのかわからなくなった。



ジャージの隙間から覗いた蜜の腰には赤い痣…。



服をめくると殴られたような形跡がいくつもあった。



慌てて抱えあげ、気づけばそのまま保健室に走ってた。



「蜜がっ…」

「どうした!?」

「わかんねぇっ…」

「ベッドに寝かせろ!!」



俺のせい…なのか…?