honey blood

遊佐の親は人間上がりのヴァンパイア。



片方はハーフという、人間寄りの子供。



ここまで血が薄いと、一生薬だけで生きて行ける。



『あたしと契約して?』



そう言い出したから遊佐とは切った。



夫婦になる場合は契約をかわさなきゃならなくて、お互いの血しか飲めなくなる。



契約は人間ともできるし、普通はヴァンパイア同士がすること。



結婚しなくても契約は可能。



昔の話しで言えば、ヴァンパイアと人間の契約は、人間が死ぬまで血を捧げるという意味だった。



今はどちらかと言えば愛し合ってるから契約するってヤツばかりで、昔の風習ってのはかなり知られてない。



遊佐の血は不味いわけではなかったけど、契約したら俺も遊佐に血をわけなきゃならないのがイヤだった。



それ以前に、遊佐なんかと契約はあり得ない。



誰にでも尻尾振るようなヤツ、俺はいらないから。



「関わんなって言ったよな?」

「…………わかったよ」



なんかイヤな予感…。