honey blood

あんなにバカ食いしてりゃあ腹も壊すだろうけど。



なぜか落ち着かない…。



「桐原、心配?」

「あ!?」

「いやいや、ウソウソ…。ごめん…」



ハーフヴァンパイアは純血を怖れる。



それは生まれた時から血で決まる上下関係ってヤツ。



だから俺は生まれた時から無条件で偉い立場に置かれているわけ。



雪丸いわく、純血には逆らうなと自分の血が反応するんだとか。



だからまともな友達なんか雪丸くらいしかいない。



担任だって親戚だし…。



桐原一族ってのは昔から日本のヴァンパイア界のトップにいるわけで。



そこの本家の嫡男ともなれば、誰も近づかないのが現状。



雪丸んちは昔からうちと主従関係にあって、幼なじみだし。



今じゃ昔みたいに主従があるって訳じゃないから楽だけど。



「なぁ、いい加減ビビんのやめろよ」

「えっ…でも…」

「マジ、普通にしてくんね?」

「努力する…」



蜜は大丈夫だろうか…。