honey blood

紫は狡い…。



そうやってあたしの心を縛るんだ…。



胸の締め付けが紫を好きだって証拠。



苦しいよ…。



頭を撫でてから部屋を出ていった。



紫もわかってるんだ、間違ったことしてるって…。



そのまま眠りに落ち、目が覚めた時に隣は空だった。



紫がいない…。



リビングに出るとメガネをかけたままソファーで眠っていて、お腹の上には握られた書類が乗っていた。



仕事したまま寝ちゃったのか…。



書類を手から離そうとすると、パッと目を開けた紫は書類を離し、あたしの腕を掴んだ。



「なに!?」

「あっ、布団かけようと思って…」

「そう…そうか…寝ちまった…」



起きあがって落とした書類を拾い、ソファーに垂れ下がってるネクタイを引きずったままベッドルームへ歩き出した。



まだ明け方で薄暗い。



恐る恐る紫の後を着いていくと、ベッドに横になる紫に手招きされた。



ソロソロ歩いて紫に近づくと腕を引かれて紫に抱きしめられた。