紫にはウソなんか通用する気がしないから、あたしが家を出たら絶対バレそう。



ひたすらテレビを見て、紫の帰りを待つ日々…。



「春奈さんはあんな独占欲の強い男やめなよ?」

「紫様は心配なんですよ、蜜様が大事だから」

「やりすぎじゃない?」

「立場上なんとも言えません」



味方はいないに等しい。



紫の言うことが日本ヴァンパイア界のすべてだから。



しかも帰りが遅くて先に寝てしまうことすらある。



今日は早いかな…。



春奈さんが帰るのが夜の7時半前後だからひとりの時間も長い…。



お風呂に入ってソファーでまたテレビ。



このまま眠っちゃいそう…。



「ただいま」

「あっ、おかえり」

「いい子にしてたか?」

「してたもん…。学校行きたい…」

「聞こえねぇよ」



やっぱり無理か…。



こうなった紫は頑固だから絶対譲らないだろうな…。



ストレスが溜まる…。



いったいいつまでこんな生活なの?