honey blood

どうやら昨日はお風呂に入らなかったらしい…。



ゆっくりお風呂に入る紫に対し、あたしはキッチンに立ち、目玉焼きを焼いた。



あとはパン焼いて終わり。



春奈さんが休みの時はこれだから困るんだよ。



実際、あたしより紫の方が家事は得意そう。



「風呂入ってスッキリ~」

「元気じゃん!!学校行けたじゃん…」

「たまにはサボったっていいだろ。最近ふたりの時間少なかったし」

「どうでもいいけど服着て来て…」

「イヤというほど見てんじゃん」



首からタオルをかけて、パンイチ…。



目のやり場に困るからやめてよ…。



彫刻みたいにキレイな体…。



「コゲてる…」

「文句あるなら紫が作ればいい」

「いやいや、食うよ。パンにジャム塗って」

「自分でやれ」



朝から甘いパンに甘いコーヒー。



ゆっくりニュースを見て、着替えるのもゆっくり。



「紫の会社行きたい」

「いいとこじゃねぇよ。名ばかり社長だし」

「ってか、なんの会社?」

「昨日行ったのは不動産屋」



何個会社持ってるんだろ…。