honey blood

蜜は雰囲気を悟り、あまり口を開かなかった。



夕方には大人たちはわけわからないくらい酔っていて、もう知らない。



めんどくさくて逃げた。



「俺、紫んち行く。ここにいたら寝れない」

「僕も行く!!」



なぜか全員、うちに来ることになってしまって。



まぁこれも俺の役割かもしれない…。



「あら…たくさん…」

「春奈、手伝う」

「兄様も座っててください。私ひとりで大丈夫ですから」

「遠慮するな」



春奈と吹雪はずっとキッチン。



疲れたから着替えよ…。



「蜜、脱がねぇのか?」

「ひとりでできない。けど春奈さん大変そう」

「来な、帯解いてやる」

「苦しくて食えなかった~…」



ベッドルームで蜜の着物を脱がせてやった。



慣れない着物に疲れたのか、ロクに服も着ないままベッドにうつ伏せ。



「オイ、寝んのか」

「くすぐったい…」

「メシできたら起こす」

「う~ん…」



ゴロゴロしてる蜜をそのままにして着物を持ってリビングに出た。