いやいや、あの子の心配より自分の身だよ。



このバカ男をどうにか…。



そう思った瞬間、紫の体があたしに倒れかかってきた。



「うっ…」

「へっ!?なに!?」

「うぅぅぅっ…」

「く、苦しいの?」

「…………」

「ねぇ!?ちょっ…大丈夫!?」

「うぅぅぅ…ウソだバーカ」



は…………!?



いっ…。



「ヤァァァァァァッ!!」



痛い、痛いっ!!



そこ、手首っ!!



痛さのあまり、離そうとしても力が入らない。



あたしの手首に噛みつき、ジッと見つめられて…。



冷や汗が出そうなほど痛くて、気を失いそう…。



なのに目の前の男は妖艶に微笑んだ…。



紫の瞳が紅く染まって行き、ポタッと床に血が落ちた…。



「もう…やめて…?離してっ…血がなくなるっ!!」

「プハッ!!最強~!!」



唇を離した痕にはくっきりとふたつの穴…。



そこからドクドクと溢れる血…。



「紫っ…血が…」

「あぁ、待ってろ」



そう言ってまた舐められた…。