逃げよっかな…。



「お前なんか腹減って死ねばいい」

「腹が減るわけじゃねぇから…」

「あっ!!UFOの窓から宇宙人が手を振ってるっ!!」

「アホかテメー」

「チッ…」



とにかくやっと元気になったわけだ。



だからまたあんな思いするのはごめん。



究極の貧血を味わったあたしには、コイツが悪魔にしか見えないわけ。



「んんっ…」

「紫っ、この人起きるよ!?」

「…………あれ?なんであたしこんなとこに…」



覚えてないんだ…。



本当に記憶、消せるの?



「ハッ!!桐原先輩っ!?」

「お前、邪魔。今からコイツといいことするから出てってくんね?見たいなら話は別だけど」

「えっ!?あっ、ごめんなさいっ!!」



真っ赤な顔した女の子はバタバタと走って図書室を出て行った。



この男は本当に最低だ…。



血を貰った相手を邪魔者扱いしたよ。



いいことなんてしないし。



「労いの言葉くらいかけてやりなさいよ…」

「めんどくせぇ」



ホント、最低…。