【蜜】



最悪だアイツの家族…。



妹はものすごくカワイイけど、美人なお母さんは性格が悪い。



あのとき、彼女じゃないと言えなかったのは殺意すら感じたから…。



なんでこんなことになっちゃったのか…。



体調が戻ってから行った学校では、一緒に休んでた理由を紫のバカが『俺ら、付き合ってんの』と言ったことで噂はたちまち広まった。



「紫君は優しい?」

「知らない」

「付き合ってるんでしょ?お似合いだと思うけどなぁ~」

「あのねぇ、二葉。お似合いだと思われたらこんな嫌がらせされないって」

「紫君のファンの仕業だね~」



机には死ねとかバカとか、落書きがたくさん。



これはすべてあの桐原 紫のせい。



絶対血なんかやるもんか。



干からびちまえ。



「オイ…」

「…………」

「オイっ!!聞いてんのかよ」

「聞いてない。ってか聞こえません」

「返事してる時点でしっかり聞こえてんだろボケ」

「なに!?」

「ちょっと来いよ」



行かないって行っても無理矢理連れて行かれるオチ…。