honey blood

なに言ってるのかわからないと言ったら、ブライアンがキレイな日本語を話し始めた。



「しゃべれんじゃん…」

「違う、翻訳機能」

「便利だな」

「だよ~。で、君が紫のか」



紫の…?



なんて説明してたんだろう…。



あたしは『彼女』になれてる?



「人間に恋したっていいことねぇのに」

「ブライアン、今はそれ…」

「あっ、わりぃ…」



なんて思ってるのかな…。



それに、紫はなんで聞いて来ないの?



「紫、あたしっ…」

「腹っ!!減ったよな?」

「えっ…、別、に…」

「ブライアン、メシ食おうぜ」



はぐらかされた。



どんなつもり?



その話はしたくない?



あたし、たくさん考えたよ…。



いっぱい悩んでいっぱい苦しんだ。



いっぱい調べたし、いっぱい…紫のそばにいたいと思ったのに…。



伝えちゃいけないような気がして言えなくなった。



好きじゃないならこんなに悩まなかったのに…。



悔しいくらい紫が好き。