フワッと包んでくれる紫の体が少し大きくなってる気がした。



背も伸びたような…。



「会って早々、噛みついていい?」

「ん…」

「コレだ…」



相変わらず痛い。



だけど懐かしくて…。



更に泣ける…。



「もうやめる」

「まだ平気…」

「コレ以上飲んだら盛るから」

「お風呂…入ったからいいよ…?」

「ダメダメ、手加減できねぇから。それに帰んねぇとな」



行っちゃうんだ…。



すっごく寂しいんだけど…。



「観光したわけじゃねぇからなをにも買えなかったけど…」

「いらない…。紫がいるから」

「わぁ~…、蜜も弱るとデレんのか…」

「デレっ!?デレてねぇし!!」

「ははっ!!じゃ、明日ゆっくりな?」

「うん…」



窓を開けた紫はそのまま出て行った。



ヤバい、ドキドキが治まらない…。



父上から借りた紫の着流しはあたしの抱き枕みたいになってて。



やっぱり実物とは温もりが違う…。