【蜜】



紫は好き。



だけど天音も好き…。



頭から出て行かない天音への感情に困惑…。



あたし的に、天音なんかクソ食らえって感じなのに…。



アイツあたしにひっどいことしたのに!!



「双子の入れたお茶、うま~」

「「…………」」

「早くやりなよ、いつまでも終わんない」



おかしな状況に陥ってるんだけど…。



紫の部屋にあたしがいて、紫がいるのは普通。



そこになぜか天音もいる。



「ねぇ、なんで天音この空間になじんでんの?」

「知るかよ!!父さんが天音はデリケートだからキツいこと言うなって言うし…」

「あんたの方が立場上なんでしょ!?追い出しなよ!!」

「できるわけねぇだろ!!あんなに穏やかな顔してんのに!!」



天音の生い立ちは悲惨なものだったらしい。



爪弾きにされていた天音の父から、まともに育てられてはいないようで…。



まず、人を信用しない。



そして友達もいない…。