honey blood

そんなこと今更言われたって…。



「蜜が止めなきゃ殺してた…」

「まぁそれは仕方ないな。あれだけの人間をヴァンパイアに変えたなら罪は重い」

「じゃあやっぱり…」

「いや、更正の機会を与えようと思う」

「どうやって更正させんだよ。蜜はあのままだし…」



『うちで預かるしかないわな』



そう言った父さん。



俺はあの天音と一緒に暮らすのか!?



「それはちょっと…」

「俺の家だ。文句があるなら出て行け。無能の出来損ないが」

「父さんっ!!ひどすぎんだろ!!」

「天音はそんな扱いしか受けて来なかったんだ。だからあんなに歪んだ」



そう…だったのか…。



確かに力は弱そうだ…。



アイツなりに悩み苦しんで来た結果がこれか…。



「俺はそんなこと思ってないよ!?紫は大事な息子だし。カワイイし、優秀だし!!」

「あっそ…」

「こんな愛情、知らねぇで育てば歪むんじゃねぇか?」



天音ってヤツが少しわかった気がした…。