honey blood

だけど蜜が俺の中から出て行かねぇ…。



諦められたら楽になんのに…。



「吹雪、俺はどうしたらいいんだ…」

「あの人間ですか?」

「人間じゃなくて蜜…」

「いつもの紫様らしくありませんね。私的にはこのままでいいんですが」

「吹雪ってたま~にいいヤツ…」

「『いつも』の紫様を褒めたりしていませんけど?」



やっぱりヤなヤツ…。



俺はどうするべきなんだろう…。



答えなんか見つけられないままここまでたどり着いてしまった気分…。



しばらくして、どこかに行ってた父さんが帰ってきた。



吹雪と一緒に向かった父さんの部屋…。



「俺たちより先に動いたな」

「急だったから…」

「天音が人間からヴァンパイアに変えたヤツらはなにもするつもりはないらしい」

「えっ?」

「全員、身寄りがなかったり親に見捨てられたヤツらばっかりだ。それにそいつら、天音は自分たちの家族だって口を揃えて言ってる…」

「それって…」

「参ったねぇ~、見当違いだ」



家族が欲しかっただけ…?