honey blood

こんな小さい子まであたしにウソをつくの?



涙目なのは演技?



違うよね…。



これは本気であたしに訴えかけてる。



「えっと、ララ?お兄ちゃん呼んできて」

「えっ?あっ、うんっ!!」



天音が言ったことが全てだと思ってた。



それって違うのかもしれない…。



しばらくしてやってきた紫は複雑な顔。



うれしそうで、でも悲しそうで…。



「どうかしたのか?」

「紫と話してみたくなった…」

「ははっ、どんな心境の変化だ」

「正直に…話すと、アンタの顔見ると泣きたくなるの…」

「蜜…」

「あたしと紫がどんな関係なのか、真実が知りたい」

「それはダメだ。無理に思い出さそうとして蜜がぶっ壊れたら…」



あたしが壊れるの…?



紫を思い出そうとすればあたしが…?



「なんも話さねぇと蜜は蜜だな…」

「どんな意味…」

「なにも変わってねぇの。髪も目も…鼻も…唇も…」

「ちょっ…」

「決めた。記憶なんかどうだっていい。天音からお前を奪い返す…」



奪い返す…?