honey blood

俺も天音を生かしておきたくない。



だけど蜜が…。



「紫様、口を挟むようで恐縮ですが…」

「なんだよ、吹雪」

「このままそっとしとくのはどうでしょうか」

「完璧に蜜と決別しろって言ってんのか…」

「記憶もないならばこのままでも…。お父上のお言葉、思い出していただきたいです」

「吹雪、俺はまだ蜜の答えを聞いてねぇ。アイツが人間でいたいなら喜んで身を引いてやる」



だけど一緒に生きてくれると言うなら…。



俺は蜜といたい。



「記憶がないって、わかってるんですか?その答えをもらう以前に、そんな話忘れてますよ」

「わかってる…。でも俺はギリギリまで待つって決めてんだ」

「頑固なお人だ…」



約束したんだ。



誕生日までには結論を出すって…。



だからたとえ蜜が全く覚えてなくても、俺はその返事を待つ。



ただそれだけだ…。



「吹雪は記憶の再生について調べてくれ」

「かしこまりました」



できることなら戻って来い…。