honey blood

他のヤツらは気まずそうな顔で俯いていた。



雪丸も吹雪も、誰もなにも言えなくて…。



父さんは部屋を出ようとした。



「待って!!ちょっと…時間を…」

「わかってねぇな…」

「アイツが傷つく姿は見たくねぇんだよっ!!」

「立場を考えろ!!お前はなにをするべきか。なにをいちばんに考えるべきか」

「んなことわかってる!!」

「わかってねぇから言ってんだっ!!頭冷やせ。このままじゃお前に後を任せられない」



マジ…かよ…。



なんだよそれ…。



少しくらい時間くれたっていいだろ…。



「桐原…」

「ははっ…。ダメらしいわ、俺…」

「俺たちがなんのためにいるのか、考えたらいいんじゃね?」

「どんな意味だよ…」

「俺たちはどんな考えでもお前について行くって意味だ」



仲間っていいな…。



友達ってこんな感じか?



信頼のおけるヤツら…。



ありがたい存在…。



「紫、オジサンより先に動こう」

「雪丸…」

「責任は紫に擦り付けるけどね~」



俺は俺のやり方でやるしかない…。