honey blood

【紫】



あのツンツンした蜜の照れ方が懐かしい…。



俺と付き合ってた頃の蜜はもういない…。



天音に甘えるような態度で、普通の女になってる。



二葉に対する態度や、雪丸に対する態度は変わってない。



だけど蜜はあんな甘え方するようなヤツじゃねぇんだ…。



「ロックされてる記憶は僕らじゃどうしようもない」

「ここまでできるヤツだとはな…」

「記憶の操作って力の前例がないからね…」



マリと北斗が蜜の頭の中を無理矢理覗いた。



記憶が書き換えられてるってことしかわからなくて、天音の記憶を消すこともできないようになってる。



これ以上無理なことをすれば蜜がどうなるかわからない…。



「どうすりゃいいんだよ…」

「手の打ちようがないね。今すぐ消してやりたいのに…」

「蜜が悲しむだろ…」



天音に手を出せば、蜜が悲しむ…。



今の蜜には周りから見ても天音が必要で。



楽しもうと思っていた文化祭も天音がそばにいるんだと思う。