honey blood

耳から血がだらだらと流れる感覚…。



信じらんない…。



ありえない…。



「ごめん、痛かった?でもこうしなきゃはずれないからね」

「耳…切れたじゃん!!いてぇよ!!」

「治してあげる」

「や、やめてっ!!」



痛みが一瞬でなくなったのは、コイツが舐めたから…。



ピアスをそのままゴミ箱へ投げ入れた。



「僕の特技、教えてほしい?」

「知りたくねぇから…」

「絶望する顔が見たいから言っちゃうけど」

「は…?」

「僕の特技はね…」



『記憶の改ざん』



耳元で囁かれた言葉に鳥肌が立った。



記憶を消すなんて簡単だって紫は言ってた…。



だけど記憶を書き換えるなんて聞いたことない…。



「どんな記憶がお望み?お姫様扱い?それとも純愛系?」

「お願いっ…ヤダ…」

「じゃあこのままここに繋いでおくしかないね。しばらく考えな?1日しか時間はやんない」



そう言って部屋から出ていった。



紫との記憶がなくなるなんて…絶対ヤダよ…。



助けに来てよ、紫…。