honey blood

元気かってさ、興味もないのに聞くなよ。



「普通…」



そう答えるしかなかった。



まず、用事がないなら絶対電話なんてしてくるはずもない。



イヤな予感…。



「父さん、再婚するから」

「再っ…」

「お前に新しい母さんが出来ることになる」

「そんなのいらないんだけど」

「そう言うなよ。こっちに戻って一緒に暮らさないか?」



頭おかしいの?



離婚する前から両親には恋人がいたんだと思う。



それは薄々感づいてた。



でもなにも言わずに別れて、ふたりともあたしを厄介者にしたじゃん。



今更一緒に暮らそう?



「バカじゃねぇの…」

「まぁそう言うな。いいお母さんになるぞ?」

「いらねぇって言ったの、聞こえなかった?」

「とにかく一度帰って来なさい。仕送り止められたくないならな」



ムカつく…。



痛いとこついたらそれで勝ち?



なにもできないあたしに対して、随分卑怯な手段を選んだもんだ…。



帰らなきゃ…ダメかな…。