honey blood

今のは完璧な八つ当たり。



カチンと来たけど顔にキーボードの跡をつけた紫が寝不足の顔をしてて。



なんだか文句が言えなくなった。



「あたし帰る」

「座れ!!2時間で終わらす!!」

「双子達んとこ行くからいいよ」

「何回も言わせんなよ。座れって言ったよな?」



マジギレ?



理不尽だね~。



でも本当に今の紫はヤバそう。



今突っかかれば確実に大きなケンカに発展しそうだよ。



だから珍しく紫に従い、障子を開けて庭の方を向いて座った。



することないから携帯でも…。



そう思って携帯を開くと、久しぶりに見る文字。



『お父さん』



離婚してからあたしを引き取ったのは一応父。



だけどこっちに来てから一度も連絡なんてして来なかった。



なんかあったんだろうか…。



そのまま廊下を歩き、部屋から少し離れた場所で電話をかけた。



「もしもし」

「着信…残ってたから…」

「元気でやってるか?」



久しぶりに聞く父親の声は、前よりも活き活きしてるように感じた。