honey blood

それは古き考えを改める為の交代時期。



本来、跡継ぎは嫡男である俺に委ねられるけど…。



「紫は若すぎる。今、紫が日本のヴァンパイアの上に立っても反逆者は少なからず出るよ」

「だろうな…」

「そのための僕。僕は紫の力になりたいんだよ」

「雪丸…」

「早めに手を打たなきゃ、人間との共存はムリだね」



雪丸は昔からこうやって先ばかり見据えてる。



その考え方に何度も助けられたし…。



雪丸の言ってることは正しいと、正直に思った。



「決断は紫に任せるから。僕はね、紫と友達になれて幸せだよ」

「わかった、考えとく…」

「じゃ、まず手始めに遊園地楽しも~ね~!!」

「それとこれとは話が別だろ…」



決断は俺が下す、か…。



俺は大事な友達を殺すかもしれねぇんだぞ?



そん時、二葉になんて詫びればいい?



俺が雪丸を殺したら、どうやって生きていけばいい?



「紫~!!ねぇねぇ、お金ちょうだい?」

「は!?」

「フリーパス、あたしの分も出せよ」



蜜にも…嫌われるんだろうな…。