*side大地*

きっといちかは、自分の初めてを全部おれにあげるって意味を分かってない。


「いちかさぁ、俺に初めてを全部って意味、分かってないだろ。」

「ま、まあね。」

やっぱな、図星か。

「例えばそんなこと?」


「そりゃもう、あんなことやこんなこととか・・・。」


「ちゃんと分かるように説明してー!」


「そのうちわかるよ。気にすんな*それよりももうこんな時間じゃん。いちかって飯作れんの?」


「あんたあたしの事、馬鹿にしてんの?ご飯ぐらい作れますぅ」


「あっそ。」


「何よあっそって、お母さんが”いちかがお嫁に行った時のために”とか言って5歳の時から包丁握らされてたわよ!」


「そりゃどうも、俺のために5歳から。英才教育ってやつだな。」


「っまそんなもんよ。でもあんたのために5歳からやってたわけじゃないし。」


「そこらへん気にすんなよ。いまからは”俺のために”だろ。」


「分かったよ。何がいい?」


「よっしゃ、いちかの初手料理!うーん、ここは定番の肉じゃがで。」

「良いよ。ちょっと待ってて。」