ロベルトが走り出してソリが動く。
無事に空を走り出して…叫んだ。
「落ちるああああああああ!!!!」
「――っ!」
「叫ばない!!!!」
そして降り積もった雪に突っ込んだ。
ロベルトが不機嫌になる理由…わかってるよ。
あたしが叫んで驚いて手綱振り回して
――雪に突っ込むからだよね。
また不機嫌そうに鳴くロベルト。
「ごめんロベルト…」
「叫んだらロベルトが驚くってわかってるでしょ!」
「だってぇ…」
人間が浮くとか、あり得なさすぎる。
いくらサンタの家系だからってなれません。
ソリ引いたって走るのは地面だったし。
飛ぶとしてもそれはトナカイに乗ってだったし。
「安定が取れないのかな?
でも前に5頭借りてやったときも落ちたよね?」
「……うん」
あのときは大変だったなあ。
安定取れると思ったら落ちたし。
借りたトナカイたちがパートナーのところに戻らなくて大騒ぎになったし。
パートナーにめちゃくちゃ怒られました。
餌付けも何もしてないのにさ…。
悲しすぎる。
「ソリ軽くしてもだめだったんだよね?」
「うん」
「即答しない」
怒られました。
だって本当のことだもん。


