俺様男に心乱れて

ボーイさんみたいな人が大きな扉を開いてくれてパーティ会場に入ると、大勢の人々のざわめきが耳に飛び込んで来た。

亮介さんに寄り添い、華やかに着飾った人々の中を真っ直ぐに歩いて行くと、皆一様に私達を驚いたような目で見る。

なぜ?

しかも誰も話し掛けて来ないなと思っていたら、一人の青年が話し掛けて来た。

「よお、久しぶりだな、亮介」

「亮平、おまえも来てたのか?」

「ああ、おまえが来るって聞いたからな。どうするのかと思ったが、やってくれたようだな。俺の期待通りだ」

「そうか? 読まれてたか…」

いったい二人は何の話をしてるんだろう?

「そちらの飛び切り綺麗なご婦人を紹介してくれよ」

「ああ。楠本小枝子さんだ。小枝子、コイツは悪友の吉田亮平。吉田コンツェルンの御曹子だ」