俺様男に心乱れて

やがて車は華やかなショーウィンドウの前で停まった。

亮介さんに腕を引かれてお店に入ると、この間と同じく、たぶんこの店のオーナーの女性が私達を出迎えてくれた。

「北島様、お待ちしておりました」

「やあ、出来てる?」

「はい、もちろん出来てますわ、2着とも」

出来てる? 2着?

「例のメイド服が似合ってるからさあ、小枝子にはブルーが似合うんだなって思ってさ。でも俺的には白いドレスも捨て難いんで、オーナーに両方頼んだんだよ」

ああ、それでこの間採寸されたのか…

若い店員さんがハンガーに掛けた2着のドレスを持って来た。

「いかがですか?」

「うーん、どっちもいいねえ、セクシーで。なあ?」

「え、はい。素敵…」

白のドレスは肩を露出し、細くてたぶん体の線がハッキリ出るタイプで、かなりのミニだ。

一方のブルーは大人っぽくエレガントで、胸の切れ込みが大胆に深く、その下がキュっと絞られていて、ロングの裾にかけて輝きながら流れるようなラインが見事だった。