俺様男に心乱れて

「亮介様…」

「黙っててください!」

「すみません」

そんな黒崎さんとのやり取りも気にはなったけど、亮介さんが言った最後の言葉の方が遥かに気になった。

『結婚を前提に付き合っている恋人』

「亮介さん、今の話は本当なの?」

「ああ、本当だよ」

「嬉しい…」

私は思わず亮介さんに抱き着いていた。嬉しすぎて、涙が溢れて止まらなかった。

「おいおい、そんなに嬉しいのか? 大袈裟だなあ」

「だって…」

「まあ、その調子で俺にくっついて堂々としてればいいから、おまえは何も心配するな」

「え? うん…」

何か変だなあ、と一瞬思ったけど、舞い上がっていた私には、冷静に考える心の余裕がなかった。