俺様男に心乱れて

「シャワー使っていいか?」

「勝手にどうぞ」

男はフッと笑うと、ベッドを出て悠々と歩いて行った。

その逆三角形に引き締まった、男の裸の後ろ姿を、私は茫然と見詰めた。

私はあの男と…
琢磨、ごめんなさい。

なんて、もう考えなくていいんだった。だって、琢磨とは別れたのだから…


頭痛と虚脱感で動く気力が出ず、ジッとしてたら男が戻って来た。

腰にタオルを巻き、ペットボトルの水を飲みながら。勝手に冷蔵庫を開けたんだわ。

「これで薬を飲めよ」

男は今飲んでいた水のペットを私に差し出した。

「薬?」

「頭痛いんだろ? 頭痛薬はどこだ?」

「ああ。バッグの中…」

男はテーブルの上の私のバッグを取ってくれた。

「ありがとう」