俺様男に心乱れて

「いや、そこまで小枝ちゃんに迷惑は掛けられないよ」

「そんな水臭い事、言わないでください」

「しかしね…、モーニングセットとか、料理があるからね…」

あ、そうだった。
料理はマスターの専売特許で、私と健ちゃんは運ぶのが専門。

しまったかなあと思ったけど、今更後には引けないわ。

「だ、大丈夫ですよ。いつもマスターが作るの見てますから、見よう見真似でなんとかします」

と、思うんだけどな…

「そうかい? じゃあお言葉に甘えちゃうかな。毎朝来てくれるお客様もいるしね。材料は何も切らしてないと思うから」

「はい。任せてください」

内心はトホホだけど、それは顔に出さずに元気に返事をした。

その時、再び亮介さんからのメールを知らせる着うたが流れ出した。