俺様男に心乱れて

「美緒ちゃん、リンゴは好き?」

「うん、好き」

「よかった。すりおろしたから、食べて?」

「うん」

すりおろしたリンゴをスプーンですくって美緒ちゃんのお口の前に持って行くと、美緒ちゃんはピンク色の小さいお口を開け、その中に入れてあげた。

そんな美緒ちゃんがあまりにも愛らしくて、私は胸がキュンとなった。

「どう?」

「おいしい」

「そう? じゃあがんばって、もう少し食べてね?」

「うん」


その時、階段をトントントンと駆け上がる音がし、ドアが勢いよく開いた。

「美緒!」

「あ、パパ!」

マスターは美緒ちゃんに駆け寄り、すぐに美緒ちゃんのオデコに手をあてた。