俺様男に心乱れて

「美緒ちゃん、頭は痛い?」

「うん」

「他に痛い所はある?」

「ううん、さむい…」

「ちょっと待ってね?」

私は収納棚から毛布を出し、それを掛け布団の上に被せ、リモコンを探してエアコンを付け、設定温度を目一杯上げた。

次に私はマスターに電話をし、美緒ちゃんが熱を出している事を告げ、体温計と子供用の鎮痛解熱剤がある場所や、冷凍室に氷枕が入っている事などを聞いた。

美緒ちゃんの熱は40度近くもあった。タオルで包んだ氷枕を美緒ちゃんの頭の下に敷き、粉薬をオブラートで包んだ。美緒ちゃんはまだ粉のままでは飲めないとマスターが言っていたから。

「美緒ちゃん、がんばってお薬飲んで? 早く治るように。ね?」

「うん」