階段の明かりを点け、美緒ちゃんの部屋がある2階へと静かに上がって行くと、微かに子供の泣き声ともうめき声ともつかない声が聞こた。

私は急いで階段を駆け上がり、美緒ちゃんの部屋のドアを開けると、果たして美緒ちゃんはベッドで蒲団に包まり、うめき声を上げていた。

「美緒ちゃん、美緒ちゃん?」

私は美緒ちゃんに近付き、声を掛けながら美緒ちゃんのオデコに手の平をあてた。

案の定、美緒ちゃんのオデコはとても熱かった。顔は真っ赤で、ハアハアと荒い息をしていた。

「ママの手、つめたくて気持ちいい…」

美緒ちゃんは、私を亡くなったお母さんと間違えているようで、私は胸がジーンと締め付けられる思いがした。