「俺の事を強姦男とか言ったけど、警察に言ったら恥をかくのはあんたの方だぜ」

「どういう事よ?」

「あんた、夕べの事覚えてないのか?」

「夕べ?」

「ああ。バーで一緒に飲んだろ?」

「あなたと、私が?」

「そう」

確かに夕べ、私は時々行く近くのバーで飲んでいた。でも、一人で行って飲んでいたはず。

そう言えば…

「あなたカウンターで私の横にいて、話し掛けて来た人?」

「横にいたのは確かだが、話し掛けたのはあんたの方からだ」

そうだっけ?

「あまり覚えてないわ…」

「だろうな。あんたベロベロに酔ってて、呂律が回ってなかったからな。ウィスキーをロックでがぶ飲みすれば、誰でもそうなるさ」