俺様男に心乱れて

「まあそうだけど、これはメイドカフェなんかのとは違って正統なメイド服なんだよ。スカートの丈も長めだしね」

マスターはそう言いながら、メイド服を両手で持って広げ、私の体にあてがった。

「おお、やっぱり似合うよ。黒よりこっちの青で正解だったな」

「そうですか…?」

青に白いレースで縁取られたそのメイド服は、客観的に見れば可愛いし素敵だと思う。でも自分が着るとなると話は別だ。これを着て接客すると思うと、超恥ずかしいんですけど…

「なあ、健坊?」

「はい、超いいっす!」

まったく、他人事だと思って…

「後、エプロンとコレね」

マスターがコレと言ったのはストッキングだった。白と黒の二つ。