俺様男に心乱れて

亮介さんに続いて古びたエレベーターに乗り込むと、さっきから気になっていた疑問を言ってみた。

「あなたみたいなお金持ちが、どうしてこんな…」

「おんぼろマンションに住んでいるのか、だろ?」

「え、まあ…」

「俺は余計な事には金を使わない主義なんだ」

「住む所が余計な事なの?」

「そうじゃないが、ここは駅から近いし、男が一人暮らすには十分な広さがある」

「節約したお金は何に使うの?」

「ん? そりゃあ、会社と投資だな」


エレベーターを降り、亮介さんが部屋のドアを開け、パチンと明かりを着けた。

「さあ、どうぞ」

「おじゃまします」

玄関で亮介さんに買ってもらったハイヒールの靴を脱ぎ、フローリングに足を乗せると足の裏がひんやりした。