俺様男に心乱れて

「私、こんな格好でいいのかしら?」

男のスーツ姿と、あまりにバランスが良くないと思い聞いてみた。

「構わないんじゃないかな。飯食うだけだから」

「そう?」

私は戸締まりをして、男と並んで歩き出した。

並んで歩くと、男の背が高い事に改めて気付いた。

私の身長は170センチ近くもあるのに、男の顎ぐらいしかないから、男の身長は優に180センチを超えているはずだ。

「ねえ、何をご馳走してくれるの?」

「あ? 普通の飯だよ」

「牛丼とか?」

「牛丼ねえ、懐かしいなあ。それにするか?」

「えー、嫌よ。だったら帰る」

「ちょっと待てよ。冗談だよ」

私がふざけて戻る仕種をしたら、男に肩を抱かれてグイッと引き寄せられてしまった。