「幸子はよく眠っているね」
「おっぱいを飲んだから、今は満足してお眠なの」
「そうか。じゃあ、ソファーに寝かせられるかな?」
「たぶん大丈夫だと思う」
小枝子はそーっと幸子をソファーに寝かせ、手をゆっくり慎重に抜いた。
すかさず亮介はタオルケットを幸子に掛けてあげると、「ちょっと来てごらん」と言いながら小枝子の肩を抱いた。
庭に面したガラス戸の前に行き、亮介がカーテンをシャッと開けると、「うわー」っと小枝子は感嘆の声を漏らした。
庭一面が綿のような真っ白な雪に被われ、今も花びらのような雪がはらはらと舞い落ちている。
「思い出さないかい?」
「もちろん、思い出すわ」
ちょうど一年前のイヴの奇跡を小枝子は思い出していた。
諦めていた愛しい人との再会を。そして、愛しい人を家族に紹介出来る誇らしさを。
『メリークリスマス』
どちらからともなく、交わす口づけ。
夢が叶った喜びに、小枝子の目から涙が次々と流れては落ちて行った。
「どうした?」
小枝子の涙を指で拭いながら亮介は心配そうに小枝子の顔を覗き込む。
「だって、あまりに幸せ過ぎて…」
「そっか。俺も幸せだよ」
亮介は小枝子をギュウッと抱きしめた。
(ホワイトクリスマス 完)
「おっぱいを飲んだから、今は満足してお眠なの」
「そうか。じゃあ、ソファーに寝かせられるかな?」
「たぶん大丈夫だと思う」
小枝子はそーっと幸子をソファーに寝かせ、手をゆっくり慎重に抜いた。
すかさず亮介はタオルケットを幸子に掛けてあげると、「ちょっと来てごらん」と言いながら小枝子の肩を抱いた。
庭に面したガラス戸の前に行き、亮介がカーテンをシャッと開けると、「うわー」っと小枝子は感嘆の声を漏らした。
庭一面が綿のような真っ白な雪に被われ、今も花びらのような雪がはらはらと舞い落ちている。
「思い出さないかい?」
「もちろん、思い出すわ」
ちょうど一年前のイヴの奇跡を小枝子は思い出していた。
諦めていた愛しい人との再会を。そして、愛しい人を家族に紹介出来る誇らしさを。
『メリークリスマス』
どちらからともなく、交わす口づけ。
夢が叶った喜びに、小枝子の目から涙が次々と流れては落ちて行った。
「どうした?」
小枝子の涙を指で拭いながら亮介は心配そうに小枝子の顔を覗き込む。
「だって、あまりに幸せ過ぎて…」
「そっか。俺も幸せだよ」
亮介は小枝子をギュウッと抱きしめた。
(ホワイトクリスマス 完)



