俺様男に心乱れて

一日の仕事を終え、アパートに帰った私は、洗濯するため寝室に脱ぎ捨ててある衣類を拾っていたら、男物の真っ白な肌着を手にしていた。

あの男のだわ…

それを鼻に近付けたら、微かに男物の香水と汗の臭いがして、体が熱くなるような気がした。

やだ、私ったら、何してるのよ!

それをごみ箱に捨てようとして、手が止まった。そして私の衣類と一緒に洗濯機の中に放り込んだ。

私って、貧乏性だなあ。
でも、琢磨の衣類はもう処分しなくちゃ…


晩御飯を作る気力はなく、冷蔵庫から缶ビールを出し、ポテトチップスを食べながらビールを喉に流し込む。

琢磨と別れてから、正確には琢磨が私から去ってから、私はすっかり無気力になってしまった。